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栄養管理

Nutritional Management

病態に応じた適切な栄養補給は、各疾患の治療効果を高め、予後改善にも役立ちます。そのため、当院では病棟ごとに管理栄養士を配置し、全入院患者さんに対して個別の栄養管理を行っています。栄養状態の評価から、必要栄養量の算出・適切な食事や栄養補給法の選択、栄養指導及びNST介入の必要性について提案を行い、積極的な栄養介入を行っています。

病棟訪問

各病棟担当の管理栄養士が食事摂取状況の確認や、治療による食欲不振などの相談のために必要に応じてベッドサイドへ訪室します。嗜好に合わせた食事変更や、退院後の食事相談なども行っています。

適切な食事の提案

糖尿病や脂質異常症・腎臓疾患などでは病態にあった治療食を、食べ物を咀嚼・嚥下しにくい方には、食品のやわらかさを考慮した食事など、患者さんの状態に合わせた食事を提案します。
詳しい情報をご覧になりたい方は、入院中の食事をご覧ください。

食事摂取が不足している場合、鼻や胃からチューブを通じて栄養剤を投与する経腸栄養法を選択することもあります。その際には、管理栄養士は栄養成分、消化吸収能、浸透圧などを考慮し、患者さんに合った栄養剤や投与方法の提案をしています。状況に応じて、内容の見直しや投与計画を継続的に評価しています。

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栄養管理計画

医師、看護師、管理栄養士が連携して、入院中の栄養管理計画を作成します。計画書には、栄養状態の評価・栄養状態に関するリスク・栄養必要量や特別な栄養管理の必要性の有無などを記載しています。当該者について、栄養管理計画書に基づいた栄養管理を行い、栄養状態は定期的に再評価しながら必要に応じて計画書の見直しを行います。

身体計測(体組成)・生理検査

必要に応じて体成分測定・間接熱量測定などの検査を行い、栄養状態を評価しながら個別の栄養管理を行います。

1.身体測定

身長・体重は最も基本的で簡易に測定できるものですが、必要な摂取エネルギー量を算出するために重要な項目です。常に体重の増減に注目し、栄養管理・食事調整を行っています。

基礎代謝測定装置
体成分分析装置

2.体成分分析

体成分分析装置InBodyを用いて測定し、体成分分析 / 筋肉量・脂肪量 / 肥満指標 / 部位別筋肉量 / 体水分均衡などを確認します。外来栄養指導及び入院中の栄養状態のモニタリングの際に使用します。

3.基礎代謝測定

呼気中の酸素消費量と二酸化炭素産生量を測定することで、間接的にエネルギー消費量などを算出します。
実際に消費されているエネルギー量を調べることで、患者さんの状態に合った必要エネルギー量の設定が可能です。

NST(栄養サポートチーム)活動

栄養状態の改善は、生活の質(QOL)の向上につながるだけでなく、疾患の治療効果や合併症予防に影響します。そのため、より厳密な栄養管理が必要となる場合にはNST(Nutrition Support Team; 栄養サポートチーム)が介入する場合があります。NSTは医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士、などで構成された医療チームです。知識と技術を習得した専門職が1つのチームとなり、最適な食事や栄養補給方法の提案や提供及び栄養状態の改善を目指しています。
当院では、このNSTと頭頸部外科・摂食嚥下チームを混成した京大病院独自の「NSST(Nutrition Swallowing Support Team;摂食嚥下栄養管理チーム)」も活動しています。

活動内容

・病棟別NST:週1回
・NST委員会:隔月に1回実施、件数報告・症例検討会など
・NST講演会:年1回、外部講師をお招きして院内・院外スタッフ向け