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入院中の食事

Meal Services

表彰状
2015年には高い衛生管理が認められ、
京都市長賞を受賞しました。

安全で高品質な食事を届ける使命

当院では2010年から、入院患者の食事を衛生的かつ安全に提供するために「ニュークックチルシステム」が導入されています。
加熱調理された料理は、調理後30分以内に一度急速冷却され冷蔵(3℃;チルド)状態で保存・盛付・運搬されます。提供直前になると主食のご飯や温菜は専用のカートで再加熱が行われます。
そのため、各食品は菌が増殖する危険温度帯に置かれることなく高い安全性が確保され免疫力の低下した患者さんでも安心して召し上がっていただくことができます。
また、温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たいまま、より美味しい状態で患者さんに提供することを目指しています。

入院中の食事について

入院中の食事はすべての患者さんにとって治療の土台になります。個々に必要な栄養を補給できる食事を美味しく食べていただくためにバリエーション豊かな食事や季節を感じていただけるような行事食の提供を行っています。また、糖尿病食や腎臓病食のような治療食が必要な患者さんには、病気の状態に合わせた食事を提供し、退院後の食事療法の参考にしていただけるような食事づくりを心がけています。食欲が低下した患者さんへは、食べやすい内容をご相談し個別対応した食事を提供しています。

食事の種類

◆一般食 常食◆

朝食の例:パン食とごはん食を選択できます。

昼夕食の例:入院中、様々なメニューをお楽しみいただけます。

◆産後食 お祝い膳◆

出産後は体力回復や授乳に必要なエネルギー・栄養素が増えるため、お食事の量も常食より多くなります。一度に全てを食べきれないことも想定し、当院の産後食では、間食や夜食に食べていただけるおにぎりやゼリーを献立に入れています。ご自身の体調に合わせながら、必要な栄養量を負担なく摂っていただけます。
また入院期間中に1度、病院からのお祝いの気持ちを込めて“お祝い膳”をお届けしています。栄養士・調理師が患者さんの喫食後アンケートをもとに考案する特別メニューとなっており、今まで多くのご好評を頂いてきました。
季節の彩りが詰まったお料理をお楽しみいただけます。

◆一般食 小児食◆

離乳食から幼児食、小児食へと、成長に合わせて必要な栄養素が補給できるよう成長段階にあった分量や軟らかさなどを考慮して、献立作成・調理を行っています。
ご家庭とは異なった環境であり、また治療により食欲が低下することもあります。少しでも食事の時間を楽しみにしてもらえるよう子供メニューやイベント食を提供しています。

◆食形態◆

食べる方の咀嚼(噛むこと)や嚥下(飲み込むこと)の状態に合わせて食形態を選択できます。食形態が異なってもできるだけ同じ料理、味付けとなるように調理しています。
入院中、食事が硬くて食べにくいなどお困りのことがございましたら、病棟スタッフへお知らせください。

  • 普通菜
  • 軟 菜
  • 普通菜より軟らかい、消化が悪い食材を除く、刺激が少ない
  • ソフト菜
  • 軟菜より軟らかい、パサつきを抑えている(*コード4)
  • トロミ菜
  • 歯茎でつぶせる、トロミ付きでまとまりやすい(*コード3)
  • ペースト菜
  • ペースト状、咀嚼せず飲み込める(*コード2-1)
  • ゼリー食
  • 嚥下訓練用のゼリー(*コードOj)
  • 流動食
  • 消化管の術後などに提供

* 嚥下調整食分類2021(日本摂食・嚥下リハビリテーション学会編)

治療食においても各食形態へ対応しています。

◆治療食 糖尿病食◆

糖尿病食は血糖・体重コントロールを目的とした食事です。
・糖質や脂質を摂り過ぎないよう砂糖や油脂類の量を調整
・食物繊維をたっぷり摂れるよう野菜は1日350g以上(1食100~120g以上)使用
・朝食・昼食・夕食のエネルギー量をできるだけ均等化
できるだけ常食と近いものを提供できるよう調理方法や味付けの工夫を行っています。

◆治療食 腎臓病食◆

◆行事食◆

行事食は1か月に1~3回(年間30回程度)提供しています。
京都ならではの行事や食文化を大切にし、四季折々の食事を楽しんでいただけるようなメニューを取り入れています。

食物アレルギーへの対応

アレルギー食は、安全に食べていただけるよう通常料理とは調理工程を分け、細心の注意をはらって調理・配膳をしています。患者さんによっては微量であれば摂取しても問題ないケースもありますので、食事のバリエーションが狭まらないようご家庭でどの程度の除去を実施されていたかお伺いし、レベルに応じた対応を行っています。

(除去食品の一例)

    • グレードⅠ
    • 完全除去
    • グレードⅡ
    • 完全除去(一部使用食品あり)
    • グレードⅢ
    • 少量(エキス等)は提供
  • サバアレルギー
    青魚アレルギー
  • ×青魚(アジ・サバ・イワシ・ブリ・カツオ・ニシン・ハマチ・ヒラス・サワラ)
    ×青魚のだし→椎茸だし使用
    ×青魚を含む加工品全て(ふりかけ・だし醤油・鰹節等)
  • グレードⅡ対応なし
  • ×青魚(アジ・サバ・イワシ・ブリ・カツオ・ニシン・ハマチ・ヒラス・サワラ)
    ○かつお節・しらす干しは使用しない
    ○かつおだし、混合だし
  • 乳アレルギー
  • ×全ての乳製品
    ×マーガリン・バター
    ×ハム・ソーセージ・ウインナー(カゼインを含むもの)
    ×乳、乳エキスを含む加工食品全て(カレールウ、パンなど)
  • グレードⅠに準ずる
    ○ただし、食パンは提供
    (原材料、製造工程確認の上)
  • ×牛乳・乳製品(ヨーグルト・ジョア・チーズ・プリン等)
    ×シチューなど主に牛乳を使用する料理
    ○マーガリン、バターは使用
    ○加工食品のつなぎに使用される程度には提供
  • 卵アレルギー
  • ×卵・魚卵
    ×卵を含む加工食品全て
  • グレードⅠに準ずる
    ○ただし、食パンは提供
    (原材料、製造工程確認の上)
  • ×卵・卵料理・魚卵(たらこ、いくら等)
    ○マヨネーズ・ハンバーグなど少量を含む程度の加工品は提供
  • 小麦アレルギー
  • ×小麦・大麦・ライ麦
    ×小麦を含む加工品・調味料全て
  • グレードⅠに準ずる
    ○ただし、醤油、味噌、酢は使用
  • グレードⅢ対応なし

病院食改善の取り組み

献立見直しワーキングの様子

疾患栄養治療部では、患者さんの疾病治療をサポートしながら入院中のお食事を楽しんでいただけるよう、病院食の改善に注力しています。
患者さんと同じ献立をスタッフが検食し、味や見た目のほか、治療食においては普通食と近い調理法になっているか、退院後の食事の参考になるかなど、様々な角度から意見を出し合い、日々献立の見直しに取り組んでいます。
また年4回行う食事アンケートの結果や病院に寄せられたメッセージ、患者さんから直接いただく声も貴重なご意見として参考にしています。お気付きの点がございましたら病院スタッフまでお知らせください。
今後もより良い病院食の提供に努めて参ります。

調乳室

早産児や低出生体重児、その他疾患のある乳児が対象であるNICU・GCUに調乳室が設置されています。
調乳室内では、衛生キャップ、グローブ、ガウンを装着し、徹底した感染防止対策はもちろんのこと、ミルク用の冷蔵庫・冷凍庫の温度管理により、衛生的な調乳を行っています。
個々の新生児に合わせて、ミルクアレルギー等さまざまな疾患に対する治療乳や強化母乳の調乳に対応しています。

粉ミルク(人工乳)調乳

医師の指示内容に従ってミルクを作り、哺乳瓶に分注した後に殺菌します。
 

母乳分注

医師の指示内容に従って患児のお母さんの冷凍母乳を計量し、分注しています。

ミルク・母乳の保管

菌が繁殖しにくい温度帯で管理しています。

配乳

日々の新生児の変化や成長する様子を感じながら365日作業をしています。